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Posted on 2 月 01, 2005 under 03.それから |
入院中から気になっていたことがあった。
「多分、体調を崩しているから」と軽く考えていたことが、未だに来ない。
・・・生理・・・
脳裏にナースの「妊娠してない?」と言う言葉が浮かぶ。
「まさか?」と思いながら、生理が不順ということで、産婦人科外来に、内科からの紹介でかかった。
産婦人科Dr.「4ヶ月は超えてますね」
「えっ?」
「どうしますか?」と言われて、何も答えられなかった。
内科Dr.には「今回はあきらめた方がいい」と言われ、更に頭が混乱する。
何故諦めた方がいいかというと、薬は胎児への影響はないとされているが、妊娠初期から飲み始めた影響は、否定できないこと、同じく初期にレントゲンなどの検査を行ったこと。であった。
中絶するなら、1日でも早くしなければならない段階だった!
彼に電話。
彼には「産んで欲しい」と言われる。
私はというと、揺れていた・・・
一生付き合わなくてはいけない病気を持ち、そのせいで、生まれてきた子供が障害を持っていたら、私は子供に対して後ろめたさを感じながら育てていかなくてはならない。
そんな気持ちにならずにはいられなかった!
確かに「愛する彼の子供」なのだから、産みたくない訳無いじゃないですか!!
でも現実を考えると、素直に「産もう」と思えなかったのは事実なんです。
最初に受診した総合病院では、中絶手術は行っていない為、「産むんだったら来て下さい」と何だか冷たい言葉。
なので、個人病院に行って相談してみた。
Dr.「うーん」
「あなたの場合は問題が多すぎる。どうするかは本人が決めるべきだが、本当に早く決めなくてはいけない状態ですよ」
連日、彼と電話で話し合い。
そして、私の決断は・・・
ゴールデンウイーク直前に決まった!
Posted on 2 月 02, 2005 under 03.それから |
そして、「何で私病気になんかなっちゃったの?何で私が?」
その言葉が、繰り返し頭の中を巡った!
いよいよ、明日になるであろうという晩に、彼が私を抱きしめてくれた。
涙がこぼれないはずは無い。
きっと彼も泣きたいに違いないのに、励ましてくれた。
そして、とうとうその朝がやってきた。
Posted on 2 月 03, 2005 under 03.それから |
未明から陣痛が来た。
今の私の気持ちに反して、その時が来てしまったのだ・・・
お腹の痛みと、悲しみとが交錯する。
朝になり、陣痛室に呼ばれ、その時を待つ。
隣に居た妊婦さんに「もうすぐですか?」屈託の無い笑顔で聞かれ、苦笑い。
随分待った気がするほど、陣痛が激しくなってきた。
分娩台に呼ばれたのは、10時頃だったかな?
“止められるものなら止めたい!!”
叫んだところで、もう手遅れ・・・
最後は、器具で引っ張り出された我が子・・・
何とあっけないんだろう。
それからは、何も考えられなかった・・・
ただ、横になり涙するのみの私。
彼が手を握ってくれた。
暫くして、看護婦さんが、赤ちゃんに会わせてくれた。
顔立ちのしっかりとした、男の子だった。
言葉は出ない。
ただ、目に焼き付けるのみ・・・
それから病室で泣いた!
彼も初めて泣いた!!
私が見た彼の涙は、後にも先にもこの時だけだった。
二人はひたすら泣き、そして【この子の為にも、幸せになろう】と誓った。
死亡届、火葬依頼・・・彼がしてくれた。
私には、喪失感しか持てなかった。
自分の病気を恨んだ。
そして・・・
「何故あの子を抱いて上げられなかったのだろう」
自分を責めることしか出来なかった。
Posted on 2 月 04, 2005 under 03.それから |
産婦人科を退院してスグに、我が子の供養のため、寺に参った。
住職の読経を聞きながらも、後悔しか心の中にはなかった。
自分を責める事しか、出来なかった・・・
それからの、1週間、彼が付き添い、色々と気晴らししてはくれるが、心の中はも抜けの空。
唯一覚えているのは、卓球をしたことだろうか?何故か覚えている。
出産と同じなので、母乳が出てくるのを薬で抑えてはいるが、止まるどころか、どんどん出てくる私に、母は「情があるから止まらないんだよ」と一言。
そうかもしれない・・・だって忘れたくたって、忘れられるはずがない!
ゴールデンウイークも終わる。
彼が九州に帰る時が、迫ってきた!
もう離れていたくなかった私は、予定より早く一緒に住みたいと思い始め、彼に伝えた。
彼は、「なるべく早くそう出来るよう努力する」と言ってくれた。
その一言の、心強さを忘れていない。
寂しさや、虚しさが癒えぬまま、また暫く彼と会えないのだ・・・
明日駅まで見送る。
Posted on 2 月 06, 2005 under 03.それから |
ほぼ2週間を彼と過ごし、いよいよ彼は九州に戻る日がきた。
朝、駅まで車で送るが、離れ難い・・・
そんな寂しげな顔をしていたら「空港まで送って」と嬉しい一言が!
彼の運転で、羽田に向かう事になった。
嬉しくて、この2週間の中で、1番はしゃいだような記憶。
「帰りは自分で運転するんだからな」
他愛もない、そんなあたりまえの言葉も、嬉しくて、嬉しくて・・・
車だと、1時間半ほどの距離が、短く感じた。
「羽田ってなんて近いんだろう?」
いつもは、空港の遠さに文句を言っているのに、なんて現金な私だ!
彼は、チェックインを済まし、出発ゲートへ。
今度は本当にバイバイだ!
「そんな顔するなよー、7月には会えるんだから!」
そう、9月の九州入りの予定を、2ヶ月早める事にした私達。
住める場所が決まり次第、私も九州に飛ぶ約束をしたのだ!!
「そう遠い話ではない」
自分に言い聞かせ、彼に精一杯の笑顔を見せた。
もうスグ『自分の帰る場所』に行けるのだと信じて・・・
Posted on 2 月 07, 2005 under 03.それから |
こちらの間では、私達の結婚が決まったも同然だったけれど、どうやら、彼のお母様が反対しているとの事。
その理由は「私の病気」
代々の農家で、女が病気をしているなんてもっての他!という環境なのだそうで・・・
だからこそ、今は元気にしているという姿を見せてやって欲しいという事だった。
彼の実家は佐賀の温泉で有名な所、そこから更に山を上ったところだ。
本当に田舎。
ごみごみした所が苦手な私には、ホッとさせてくれる風景だ。
家に着く前に彼に言われた事があった。
「病気の事は話さないでおこう」
何となく後ろめたい気持ちだったけれど、お母さんの事を一番知っている彼がそう言うのだからと、うなずいて、家に着いた。
玄関に入る前「いきなり反対されるかも」と恐る恐る入っていったら、意外にも歓迎ムード。
少々ひょうしぬけ。
お善も用意されていて、豪華に迎えてくれた。
それでも、病気について、話さないことが、心の中に引っかかっていた。
1泊し、翌日は我が家に帰る。
7月には社宅が準備出来るとの事で、7/5に九州入りする予定になった。
もう2ヶ月も無い。
これから忙しくなりそうだ。
でも、彼との新しい生活で、自分の帰れるところが出来るのだと思うと、胸が弾んでいた。
そしてもう一つ、辛かった過去から逃げ出せる気がしていたのでした。
Posted on 2 月 08, 2005 under 03.それから |
急遽7月に決まった、九州への旅立ちは、友人達を随分驚かせてしまったようだ・・・
でも、【離れても幸せにね】という気持ちを込めて、送別会を元彼が中心となって、開いてくれる事に!
参加者は何人いただろう?
私ってこんなに友達がいたんだ!と改めて知った。
私一人のためにこんなに参加してくれるとは、信じられないでいたし、感動で胸が詰まった。
そして、普段は【引き立て役】の私が主役である事に、戸惑ったりもした・・・
楽しい時間、あっという間に過ぎていった。
何年前の話だろう?
忘れる事の出来ない、思い出になった。
皆本当にありがとう!!
幸せになります?
て、感じだったなー
でも、中絶の事知ってるのは、ほんの少数。
私が逃げ出そうとしているなんて、皆思いもしていないんだろうな?
これが終われば、荷物を送って、飛行機に乗るまでだ!
でも、私にはどうしても、引っかかっている事があった。
見舞に来てくれた“あの人”の事。
「こんな想いを抱えたまま、結婚して良いものか?」
飛行機に乗って、離陸するまで頭の中を掛け巡っていたのでした。
Posted on 2 月 09, 2005 under 03.それから |
「帰りたい」
いつもそう思っていた私。
家にいても、自分の居場所じゃないような・・・
7/5福岡空港に降り立ち、彼を見付ける。
互いに照れくさい・・・
新居に行く前に、同僚の方が【お祝いパーティー】をしてくれるとのことで、下見を兼ねた食事へと向かう。
途中空港に降りるジャンボ機の真下を通り、驚いた。
食事と打ち合わせも終わり、いよいよ新居へ!
「狭い社宅だよ」
ずーっと言い続ける彼・・・
「新婚生活は、狭いほうがいいと思うけどなー」と私。
タクシーが社宅の敷地内に入り、ドキドキ!
階段を上って3階。
ココが私達の新しい生活が始まる場所だ!!
ドアを開け、入ろうとしたら、彼がいきなり私を【お姫様だっこ】して玄関に入った。
「こうすると、幸せでいられるんだって」
熱々新婚ぶりに我ながら照れた。
3Kに近い3DK・・・
二人暮らしには、広い方ではないですか!
ワクワクしながら、これからの生活を思い浮かべる。
そして、「帰る所はココなんだ」と信じて疑わなかった。
2日後、7/7(日)市役所に入籍届を出し、晴れて彼と夫婦に。
『この幸せが永遠に続く』ことを信じて・・・